樹脂から得られる精油

樹木の幹に傷をつけると、そこから樹液が出てきます。

樹液には、篩管液や導管液、乳液、樹脂液が含まれ、植物が損傷を受けた部分を修復する働きがあります。

樹脂は樹脂液が数週間かけて固まったもので、特に防腐作用を含む成分が含まれています。

古代エジプトの時代から樹脂は神に捧げる香として用いられ、医薬としても使用されました。聖書には香油の原料としてキリスト誕生時に献上されたものとして樹脂の記載があります。

アロマセラピーでは、細かく砕いた樹脂を水蒸気蒸留、または直接釜で煮るハイドロ蒸留で得られる精油(エッセンシャルオイル)、あるいは有機溶媒を用いた溶剤抽出で得られるレジノイドを用います。

樹脂から得られる精油は、フランキンセンス(オリバナム・乳香)、ミルラ(没薬)、オポポナクス、ペルーオブバルサム、ベンゾイン(安息香)など。

樹脂は樹木を伐採することなく一定の間隔で、継続的に採取できるので、サスティナブル(持続可能)な原料といえます。ゆえにサンダルウッド(白檀)やローズウッドなどの樹木のように絶滅が危惧されることはありません。

ちょっと変な例えかもしれませんが、樹液(樹脂)はヒトの血液のようなものだと思うのです。ヒトが行う献血のように、樹木からいただく貴重な樹脂を私たちのウエルネスのためにありがたく使わせていただきたいと思います。