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聖なる香り
聖なる香り 『新約聖書マタイによる福音書2章』キリスト誕生の中に・・・ 星に導かれ、東方から3人の博士が聖地エルサレムにやってきて、母マリアといる幼子を拝み、「黄金」「フランキンセンス(乳香)」「ミルラ(没薬)」を贈り物として献げた物語が記されています。これが現代のクリスマスギフトの起源とされています。 この3つの贈り物にはそれぞれ意味があり、「黄金」は王・権力、「フランキンセンス」は神・預言者、「ミルラ」は受難の死・救世主を表すとされ、キリストは「フランキンセンス」を選び、のちに神、そして預言者となった、とも伝えられています。 クリスマスの時期になると、ヨーロッパの教会やクリスマスマーケットなどで、この馬小屋でのキリスト誕生の様子のディスプレイをよく見かけます。それくらい何百年、何千年経ってもこのシーンが重要な出来事であり、かつ当時フランキンセンスやミルラの樹脂が黄金と同じくらい貴重なものであったことがわかります。 キリスト教のカトリック教会ではミサ(祈祷)の際に、振り香炉といわれる金色の鎖によって吊り下げられた振り子状の香炉に香炭とフランキンセンスの樹脂を入れ、煙が煌々と焚かれます。香炉から立ち上る煙のように祈りが天に届くことを祈願し記憶するという意味が込められています。フランキンセンスの香りは教会に染み付き、日本人がお線香の香りでお寺や仏壇をイメージするように、西洋ではフランキンセンスの香りで神聖な教会をイメージします。 キリスト教だけでなく、イスラム教でも儀式の際や瞑想時、浄化・魔除けのためにフランキンセンスの樹脂を焚く風習があります。 聖なる夜*クリスマスに、聖なる香り*フランキンセンス・ミルラを焚いて、この一年を振り返り、無事に過ごせた感謝の想いと来年への祈願を香りに昇華させ、穏やかで暖かなクリスマスをお過ごしください! *** Happy Christmas ***
聖なる香り
聖なる香り 『新約聖書マタイによる福音書2章』キリスト誕生の中に・・・ 星に導かれ、東方から3人の博士が聖地エルサレムにやってきて、母マリアといる幼子を拝み、「黄金」「フランキンセンス(乳香)」「ミルラ(没薬)」を贈り物として献げた物語が記されています。これが現代のクリスマスギフトの起源とされています。 この3つの贈り物にはそれぞれ意味があり、「黄金」は王・権力、「フランキンセンス」は神・預言者、「ミルラ」は受難の死・救世主を表すとされ、キリストは「フランキンセンス」を選び、のちに神、そして預言者となった、とも伝えられています。 クリスマスの時期になると、ヨーロッパの教会やクリスマスマーケットなどで、この馬小屋でのキリスト誕生の様子のディスプレイをよく見かけます。それくらい何百年、何千年経ってもこのシーンが重要な出来事であり、かつ当時フランキンセンスやミルラの樹脂が黄金と同じくらい貴重なものであったことがわかります。 キリスト教のカトリック教会ではミサ(祈祷)の際に、振り香炉といわれる金色の鎖によって吊り下げられた振り子状の香炉に香炭とフランキンセンスの樹脂を入れ、煙が煌々と焚かれます。香炉から立ち上る煙のように祈りが天に届くことを祈願し記憶するという意味が込められています。フランキンセンスの香りは教会に染み付き、日本人がお線香の香りでお寺や仏壇をイメージするように、西洋ではフランキンセンスの香りで神聖な教会をイメージします。 キリスト教だけでなく、イスラム教でも儀式の際や瞑想時、浄化・魔除けのためにフランキンセンスの樹脂を焚く風習があります。 聖なる夜*クリスマスに、聖なる香り*フランキンセンス・ミルラを焚いて、この一年を振り返り、無事に過ごせた感謝の想いと来年への祈願を香りに昇華させ、穏やかで暖かなクリスマスをお過ごしください! *** Happy Christmas ***
ミルラの精油
ミルラの精油 ミルラもフランキンセンスと同じカンラン科。コミフォラ属の小さなとげがたくさんある、樹高3~5mの低木です。Commiphora myrrhaの原産地はソマリア、オマーン、イエメン、エチオピア、そしてサウジアラビアの一部。 樹木を傷つけ、樹皮を貫通して辺材に達すると、樹木は樹脂を分泌します。樹脂はワックス状ですぐに凝固し、繰り返し傷つけることにより収穫されます。収穫後の樹脂は淡黄色で光沢がありますが、しだいに黒ずみ、赤褐色に変化します。 古代エジプト第5王朝のサフラー王が、現在のアフリカの角、ソマリアのプント地方に遠征し、大量のミルラ、フランキンセンス、マラカイト、などを持ち帰ったことが記録されています。その後宮殿の庭にミルラの木が植えられ、ミルラはミイラの防腐処理のために使用されました。 さらにうがい薬や歯痛の鎮痛剤、あざや捻挫の塗り薬、切り傷や皮膚疾患の塗布剤や治癒軟膏など、さまざまな用途の薬として使われたとされています。 また、ミルラ精油は旧約聖書の中で特別な珍しい香水と記され、『聖なる油』として祭壇に備えられ、礼拝では重要な供え物でした。 ミルラ精油の構成成分はセスキテルペン類がほとんどを占め、重厚で深い香りが特徴です。日本語では没薬(もつやく)といい、‘没’には‘苦い’という意味があるとおり、樹脂特有の甘みの中に、薬のような苦みとスパイスのような辛みを感じます。ベースノートの持続的で安定した香りは、気持ちを安定させ、安心感をもたらします。 とはいっても、アロマセラピストに聞くと、なぜか「持っているけど、なかなか使わない・なかなか減らない」精油のひとつ。そんなミルラの精油を使いこなすポイントはブレンド! 同じく甘みや暖かみのあるスイートオレンジの精油とブレンドすると、香りが深まり、持続性も高まります。ラベンダーやゼラニウムなどのフローラル系の精油とも相性抜群。華やかさが増し、高貴な香りに。また同じ樹脂であるフランキンセンスの精油との組み合わせも相性がよく、瞑想時のブレンドに最適です。 長く香らせたい芳香浴のブレンドやアロマオイル・クリームなど、スキンケアのブレンドにお勧めのミルラ精油。深い香りを作り出すために、ぜひ貴重な1滴を加えてみてください。
ミルラの精油
ミルラの精油 ミルラもフランキンセンスと同じカンラン科。コミフォラ属の小さなとげがたくさんある、樹高3~5mの低木です。Commiphora myrrhaの原産地はソマリア、オマーン、イエメン、エチオピア、そしてサウジアラビアの一部。 樹木を傷つけ、樹皮を貫通して辺材に達すると、樹木は樹脂を分泌します。樹脂はワックス状ですぐに凝固し、繰り返し傷つけることにより収穫されます。収穫後の樹脂は淡黄色で光沢がありますが、しだいに黒ずみ、赤褐色に変化します。 古代エジプト第5王朝のサフラー王が、現在のアフリカの角、ソマリアのプント地方に遠征し、大量のミルラ、フランキンセンス、マラカイト、などを持ち帰ったことが記録されています。その後宮殿の庭にミルラの木が植えられ、ミルラはミイラの防腐処理のために使用されました。 さらにうがい薬や歯痛の鎮痛剤、あざや捻挫の塗り薬、切り傷や皮膚疾患の塗布剤や治癒軟膏など、さまざまな用途の薬として使われたとされています。 また、ミルラ精油は旧約聖書の中で特別な珍しい香水と記され、『聖なる油』として祭壇に備えられ、礼拝では重要な供え物でした。 ミルラ精油の構成成分はセスキテルペン類がほとんどを占め、重厚で深い香りが特徴です。日本語では没薬(もつやく)といい、‘没’には‘苦い’という意味があるとおり、樹脂特有の甘みの中に、薬のような苦みとスパイスのような辛みを感じます。ベースノートの持続的で安定した香りは、気持ちを安定させ、安心感をもたらします。 とはいっても、アロマセラピストに聞くと、なぜか「持っているけど、なかなか使わない・なかなか減らない」精油のひとつ。そんなミルラの精油を使いこなすポイントはブレンド! 同じく甘みや暖かみのあるスイートオレンジの精油とブレンドすると、香りが深まり、持続性も高まります。ラベンダーやゼラニウムなどのフローラル系の精油とも相性抜群。華やかさが増し、高貴な香りに。また同じ樹脂であるフランキンセンスの精油との組み合わせも相性がよく、瞑想時のブレンドに最適です。 長く香らせたい芳香浴のブレンドやアロマオイル・クリームなど、スキンケアのブレンドにお勧めのミルラ精油。深い香りを作り出すために、ぜひ貴重な1滴を加えてみてください。
2種のフランキンセンス精油
2種類のフランキンセンス フランキンセンスの樹脂が得られるカンラン科ボスウェリア属の樹木は25種以上あり、インドからアラビア、アフリカの角と呼ばれるアフリカ東端部、そして西アフリカにかけて生育しています。 産地により生育する種が異なり、インドの乳香Boswellia serrata(ボスウェリア・セラータ)、中東のオマーンやイエメンのB. sacra(サクラ)、アフリカの角のB.carteri(カルテリ)、B. frereana(フレレアナ)、スーダンのフランキンセンスB. papyrifera(パピリフェラ)などが知られています。 Soomaali(ソマリ)では、ソマリランドで採集されるカルテリとフレレアナ、2種類の樹脂と精油を扱っています。この2つの精油特徴と違いをみていきましょう。 カルテリ種はソマリア、エチオピアの一部に生育し、最も一般的な種で、フランキンセンスといえばカルテリ種を指します。カルテリ種は世界出ている約80%がソマリランド・プントランド産で、標高の高い地域、石灰質の地盤に生育しています。 成分構成はαピネン、リモネンなどのモノテルペン炭化水素が約70%、森林浴を想わせる清々しい香りと後から漂うカリオフィレンなどのセスキセテルペン炭化水素の香りが静寂感を与え、呼吸を深めます。瞑想時に使われるのがよくわかります。不安やザワザワした気持ちを整え、落ち着きと安心感をもたらします。 フレレアナ種はソマリランドの固有種で、ダーロ山脈の標高の低い地域に生育しでいます。根っこがほとんどなく、崖などの岩場に吸盤のようにくっついて樹木が立っているのが特徴です。 成分構成はモノテルペン炭化水素がカルテリ種よりやや多い80%、αピネンに加えサビネンを含みます。他にもエステル、アルデヒド類の成分をバランスよく含み、華やかな香りの印象を与えています。フランキンセンスの王様といわれる格調高い香りは、心を和ませ、多幸感をもたらします。 使い方としては、日中気分を上げたり、集中力を高めたい時にフレレアナ種、夜のリラックスタイムにカルテリ種を芳香するのがオススメです。
2種のフランキンセンス精油
2種類のフランキンセンス フランキンセンスの樹脂が得られるカンラン科ボスウェリア属の樹木は25種以上あり、インドからアラビア、アフリカの角と呼ばれるアフリカ東端部、そして西アフリカにかけて生育しています。 産地により生育する種が異なり、インドの乳香Boswellia serrata(ボスウェリア・セラータ)、中東のオマーンやイエメンのB. sacra(サクラ)、アフリカの角のB.carteri(カルテリ)、B. frereana(フレレアナ)、スーダンのフランキンセンスB. papyrifera(パピリフェラ)などが知られています。 Soomaali(ソマリ)では、ソマリランドで採集されるカルテリとフレレアナ、2種類の樹脂と精油を扱っています。この2つの精油特徴と違いをみていきましょう。 カルテリ種はソマリア、エチオピアの一部に生育し、最も一般的な種で、フランキンセンスといえばカルテリ種を指します。カルテリ種は世界出ている約80%がソマリランド・プントランド産で、標高の高い地域、石灰質の地盤に生育しています。 成分構成はαピネン、リモネンなどのモノテルペン炭化水素が約70%、森林浴を想わせる清々しい香りと後から漂うカリオフィレンなどのセスキセテルペン炭化水素の香りが静寂感を与え、呼吸を深めます。瞑想時に使われるのがよくわかります。不安やザワザワした気持ちを整え、落ち着きと安心感をもたらします。 フレレアナ種はソマリランドの固有種で、ダーロ山脈の標高の低い地域に生育しでいます。根っこがほとんどなく、崖などの岩場に吸盤のようにくっついて樹木が立っているのが特徴です。 成分構成はモノテルペン炭化水素がカルテリ種よりやや多い80%、αピネンに加えサビネンを含みます。他にもエステル、アルデヒド類の成分をバランスよく含み、華やかな香りの印象を与えています。フランキンセンスの王様といわれる格調高い香りは、心を和ませ、多幸感をもたらします。 使い方としては、日中気分を上げたり、集中力を高めたい時にフレレアナ種、夜のリラックスタイムにカルテリ種を芳香するのがオススメです。
樹脂から得られる精油
樹脂から得られる精油 樹木の幹に傷をつけると、そこから樹液が出てきます。 樹液には、篩管液や導管液、乳液、樹脂液が含まれ、植物が損傷を受けた部分を修復する働きがあります。 樹脂は樹脂液が数週間かけて固まったもので、特に防腐作用を含む成分が含まれています。 古代エジプトの時代から樹脂は神に捧げる香として用いられ、医薬としても使用されました。聖書には香油の原料としてキリスト誕生時に献上されたものとして樹脂の記載があります。 アロマセラピーでは、細かく砕いた樹脂を水蒸気蒸留、または直接釜で煮るハイドロ蒸留で得られる精油(エッセンシャルオイル)、あるいは有機溶媒を用いた溶剤抽出で得られるレジノイドを用います。 樹脂から得られる精油は、フランキンセンス(オリバナム・乳香)、ミルラ(没薬)、オポポナクス、ペルーオブバルサム、ベンゾイン(安息香)など。 樹脂は樹木を伐採することなく一定の間隔で、継続的に採取できるので、サスティナブル(持続可能)な原料といえます。ゆえにサンダルウッド(白檀)やローズウッドなどの樹木のように絶滅が危惧されることはありません。 ちょっと変な例えかもしれませんが、樹液(樹脂)はヒトの血液のようなものだと思うのです。ヒトが行う献血のように、樹木からいただく貴重な樹脂を私たちのウエルネスのためにありがたく使わせていただきたいと思います。
樹脂から得られる精油
樹脂から得られる精油 樹木の幹に傷をつけると、そこから樹液が出てきます。 樹液には、篩管液や導管液、乳液、樹脂液が含まれ、植物が損傷を受けた部分を修復する働きがあります。 樹脂は樹脂液が数週間かけて固まったもので、特に防腐作用を含む成分が含まれています。 古代エジプトの時代から樹脂は神に捧げる香として用いられ、医薬としても使用されました。聖書には香油の原料としてキリスト誕生時に献上されたものとして樹脂の記載があります。 アロマセラピーでは、細かく砕いた樹脂を水蒸気蒸留、または直接釜で煮るハイドロ蒸留で得られる精油(エッセンシャルオイル)、あるいは有機溶媒を用いた溶剤抽出で得られるレジノイドを用います。 樹脂から得られる精油は、フランキンセンス(オリバナム・乳香)、ミルラ(没薬)、オポポナクス、ペルーオブバルサム、ベンゾイン(安息香)など。 樹脂は樹木を伐採することなく一定の間隔で、継続的に採取できるので、サスティナブル(持続可能)な原料といえます。ゆえにサンダルウッド(白檀)やローズウッドなどの樹木のように絶滅が危惧されることはありません。 ちょっと変な例えかもしれませんが、樹液(樹脂)はヒトの血液のようなものだと思うのです。ヒトが行う献血のように、樹木からいただく貴重な樹脂を私たちのウエルネスのためにありがたく使わせていただきたいと思います。
アロマセラピーの原点
アロマセラピーの原点 Aromatherapy(アロマセラピー)とは・・・ 「アロマ(芳香)」と「セラピー(療法)」を組み合わせた造語で、直訳すると「芳香療法」となります。芳香療法をそのまま解釈すると、心地よい香りを使った療法という意味になりますが、実際は芳香植物から抽出された100%天然の「精油」を使った療法のことをいい、精油療法(Essential Oil Therapy)と呼ばれることもあります。 アロマセラピーという言葉が使われたのは20世紀に入ってから。 1910年7月、フランス人の化学者ルネ・モーリス・ガットフォセ(Rene-Maurice Gattefosse)は実験室で小爆発に遭い、手に火傷をおい、とっさに室内にあったラベンダー精油を使い、ラベンダーの治癒効果を発見しました。それから精油の研究を始め、1937年に著書『Aromatherapie』を出版したのが始まりです。 このため「アロマセラピー」というとフランス、そしてラベンダー精油というイメージが強いと思うのですが・・・ 本来の意味である「植物から得られた精油を使った療法」ということを考えると、薬草療法を含め芳香植物を使ったアロマセラピーの歴史は古代にさかのぼります。 古代エジプトは、医学、薬学、香粧学、美容学を含む科学の発祥地でもあります。特に香料は古代エジプト人にとって神への供物でした。神殿には必ず芳香製品を調合するための小部屋があり、当時医師の役割をも果たしていた聖職者は、樹脂や香油を宗教的な儀式や死体をミイラ化するため、病気の調合薬など、さまざまな目的で使用していました。 そこで使用されていたのが樹脂を原料としたフランキンセンス、そしてミルラです。エジプトではミイラ作りのためにフランキンセンスやミルラが使われ、儀式の際には香りを焚く薫香が行われました。また、『新約聖書』には東方の三賢人がイエス誕生の際に黄金と乳香(フランキンセンス)、没薬(ミルラ)を捧げたというくだりがあります。 Soomaaliでは、アロマセラピーの原点であるエジプト(アフリカ)そしてフランキンセンスとミルラに回帰して、4000年以上前から今もなお、健康や美容など同じ目的で使用できる樹脂や精油に感銘を受け、これから数千年後の世代でもこの恩恵が受けられるように、自然環境や社会環境のトータルウェルビーイングを目指して情報発信をしていきたいと考えています。
アロマセラピーの原点
アロマセラピーの原点 Aromatherapy(アロマセラピー)とは・・・ 「アロマ(芳香)」と「セラピー(療法)」を組み合わせた造語で、直訳すると「芳香療法」となります。芳香療法をそのまま解釈すると、心地よい香りを使った療法という意味になりますが、実際は芳香植物から抽出された100%天然の「精油」を使った療法のことをいい、精油療法(Essential Oil Therapy)と呼ばれることもあります。 アロマセラピーという言葉が使われたのは20世紀に入ってから。 1910年7月、フランス人の化学者ルネ・モーリス・ガットフォセ(Rene-Maurice Gattefosse)は実験室で小爆発に遭い、手に火傷をおい、とっさに室内にあったラベンダー精油を使い、ラベンダーの治癒効果を発見しました。それから精油の研究を始め、1937年に著書『Aromatherapie』を出版したのが始まりです。 このため「アロマセラピー」というとフランス、そしてラベンダー精油というイメージが強いと思うのですが・・・ 本来の意味である「植物から得られた精油を使った療法」ということを考えると、薬草療法を含め芳香植物を使ったアロマセラピーの歴史は古代にさかのぼります。 古代エジプトは、医学、薬学、香粧学、美容学を含む科学の発祥地でもあります。特に香料は古代エジプト人にとって神への供物でした。神殿には必ず芳香製品を調合するための小部屋があり、当時医師の役割をも果たしていた聖職者は、樹脂や香油を宗教的な儀式や死体をミイラ化するため、病気の調合薬など、さまざまな目的で使用していました。 そこで使用されていたのが樹脂を原料としたフランキンセンス、そしてミルラです。エジプトではミイラ作りのためにフランキンセンスやミルラが使われ、儀式の際には香りを焚く薫香が行われました。また、『新約聖書』には東方の三賢人がイエス誕生の際に黄金と乳香(フランキンセンス)、没薬(ミルラ)を捧げたというくだりがあります。 Soomaaliでは、アロマセラピーの原点であるエジプト(アフリカ)そしてフランキンセンスとミルラに回帰して、4000年以上前から今もなお、健康や美容など同じ目的で使用できる樹脂や精油に感銘を受け、これから数千年後の世代でもこの恩恵が受けられるように、自然環境や社会環境のトータルウェルビーイングを目指して情報発信をしていきたいと考えています。